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◆◆ 歯医者さんの繁盛便り《今月の“歯っ”とするお話》
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2019/03/12発行 Vol.90
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○食支援に関する新たな試み
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先月2日(土)、東京都西東京市の西東京市民公会堂において食支援に関する
講演会が開催されました。西東京市歯科医師会主催のこのイベントは、西東京
市と東京大学高齢社会研究機構が連携して行うフレイル予防事業の一環として
開催されたもので、「最期まで自分の口で美味しく食べ続けたい」という国民
の願いを実現するため、健康長寿に密接に関係する「食」を医療従事者だけで
なく自治体を挙げて支援していこうという取り組み姿勢が示されました。
講演会では、まず田無病院院長・丸山道生氏が「食支援について」と題された
内容を講演。NST(栄養サポートチーム)の成り立ちを説明するとともに栄養や
食事に関するサポートが地域にも広がることの意義についてお話しされました。
続いて登壇された田無病院栄養科長(管理栄養士)の工藤正美氏は、「管理栄養
士から見る食支援」というテーマで講演。低栄養状態の原因やその発見方法を
解説するとともに、今回の事業で用いられる低栄養者発見のためのチェックシ
ートの見本を示されました。
3番目に登壇された東京大学高齢社会総合研究機構特任研究員・高瀬麻以氏は、
「地域における多職種協働による食支援プロジェクトについて」という内容で
講演され、食支援全般に関しての意義や流れを説明するとともに今回、西東京
市で行われるモデル事業の方向性について説明がなされました。
そして最後に、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の菊
谷武氏が、「地域における食支援 良くならないけど、食べられる? そのヒミ
ツとは?」という演題で講演。さらにその後、4名の演者の方々に加えて飯島勝
矢氏(東京大学高齢社会総合研究機構)および司会の植松一郎氏(西東京市)の6名
によるパネルディスカッションが行われました。
このプロジェクトについて飯島氏は「西東京市のためではなく、全国の自治体
のためにやっている。市での取り組みを可視化して、他の自治体でもまねして
もらうのが私の仕事」とコメント。より多くの自治体に取り組みを広げていく
姿勢を表明されました。
西東京市における本事業に関する成果は、今後、地域におけるフレイル予防や
食支援のモデルとして公開される予定とのことです。
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◆ 今月のヒント
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摂食嚥下障害については、全国各地でさまざまな取り組みが行われていますが、
大阪大学大学院教授の古郷幹彦氏が理事長を務めるNPO法人・食介護支援プロ
ジェクトもそのひとつ。
同NPO法人は古郷理事長によると、以前より大阪大学歯学研究科のメンバーが
中心となり歯科クリニック、総合病院、高齢者施設の有志たちが集まって摂食
嚥下障害について意見交換やセミナーを行ってきたのが前身とのこと。
支援の対象となる口腔ケアを必要とする方々が、年々増加傾向にあるなか、摂
食嚥下に関する情報・知識・技術の提供、適切な専門家としての人材育成を目
的として設立されたそうです。
○口腔ケア・嚥下治療の支援
○施設での口腔ケア・嚥下介助の支援
○歯科往診における嚥下治療の支援
といった取り組みを柱に、NPOとして少しでも役立つ専門家を供給できるよう
できる限りの努力を続けていきたいとのこと。詳しくは下記URLよりアクセス
してください。
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「生涯楽しく食べる」を応援する会
https://rakushokukai.jimdofree.com/
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発行・編集 株式会社フューチャーワークス 市川 浩
〒158-0091 東京都世田谷区中町1-242-105
Tel.03-6432-2831 Fax.03-6432-2832
歯科ツールの達人
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