《今月の“歯っ”とするお話》VOL.88

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◆◆ 歯医者さんの繁盛便り《今月の“歯っ”とするお話》

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                     2019/01/8 発行 Vol.88

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○世界初の口腔ガン診断技術

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いまや2人に1人がガンにかかるといわれる今日。なかでも舌ガンをはじめと

する口腔ガンは早期発見が難しいばかりではなく、転移しやすいことから5年

以上の生存率は50%以下といわれています。

そんな口腔ガンの早期発見につながる画期的な診断技術が先月発表されまし

た。

その診断技術とは、唾液に含まれる臭いを持つ成分から、口腔ガンを見つけ

るというもので、唾液の臭いのもととなる12種類の揮発性有機化合物が、

(1)口腔ガン患者から検出できる成分

(2)健康な人から検出できる成分

(3)両方から検出できるが検出量に大きな差がある成分

の3群に分かれることを特定。患者12人と健康な人8人の唾液を分析したとこ

ろ、ともに90%以上の確率で判別できたとのことです。

この研究結果を発表したのは、北九州市立大と九州歯科大(北九州市)の研究

グループ。研究を主導した北九州市立大国際環境工学部の李丞祐(リスンウ)

教授は「病気が持つ“臭い情報”を明確にできたことが大きい。口腔ガンに

関係する臭い成分が特定できたように、肺がんや胃がんのにおいも特定でき

る可能性がある」コメントしています。

唾液の採取は体への負担が少なくわずかな時間で済むためスクリーニングに

効果的なだけでなく、将来的には息を吹きかけるだけでガンの診断ができる

計測機器の開発にも期待が高まります。

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◆ 今月のヒント

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ストレスがたまると口臭がきつくなる。そんなハナシを聞いたことがある方

も多いと思います。実際、その因果関係ははっきりとはしていないのですが、

かつてストレスと口臭にまつわるユニークな実験が行われました。

それは大学生71名に対し試験前、試験中、試験後の唾液分泌量と口臭原因物

質濃度を測定したというもの。

まず唾液の分泌量を見てみると試験前は0.52(ml/分)だったのが、試験中は

0.32と大きく減少。しかし、試験後は0.57と試験前とほとんど変わらない数

値に戻りました。

一方、口臭原因物質濃度はというと、試験前が73.6(ppb)→試験中113.1→試

験後64.0と推移しています。

つまり学生にとってもっともストレスのかかる試験中は、唾液の分泌量が減

り、口臭原因物質の濃度が高まるという結果がその実験で得られました。

前述のとおり、ストレスと口臭の因果関係は定義されてはいませんが、ひと

つの例としてぜひ話題づくりの参考にしてみてください。

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発行・編集 株式会社フューチャーワークス 市川 浩

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